作者 : 葛城 様
掲載サイト: 小説家になろう
作品ページ: 男女あべこべ物語
[あらすじ]
現代日本の片隅で、前世の記憶を持つ田中悠一は、自身の主観では二度目となる高校入学式へと向かっていた。
その身を包むのは、真新しいが客観的にはなんの変哲もない制服だ。
しかし悠一の主観では違っていた。ブレザーは桜色、首元にはリボン。男子学生用の制服でありながら、前世では女性向けとされる特徴を持っていたのだ。
それもそのはず、悠一が転生した先は現代日本ではあるものの、なぜか男女の価値観や差異に関する事柄だけが転生前とは逆転していたのだった。
[感想等]
平行世界的な現代日本に転生して高校生になった主人公が、学生生活を送っていくという内容の小説です。
主人公が転生した日本は転生前とは異なっており、例えば、美男美女の基準などの男女の価値観や、女性ではなく男性が家庭で料理を作って子供を育てるといった男女の役割が逆転しています。
さらには、男性は子供を育てるために母乳の代わりに父乳なるものを出すことができたりと、男女の身体的な特徴なども部分的に逆転していたりします。
こういった前世現代日本との違いは地の文で説明されるんですが、あまりの発想の異次元さに、ストーリーとは関係なく説明の時点ですでに面白いのがすごいです。
2015年9月14日月曜日
2015年8月12日水曜日
蝉だって転生すれば竜になる
作者 : あぶさん 様
掲載サイト: 小説家になろう | Arcadia
作品ページ: 蝉だって転生すれば竜になる | Arcadia版
[あらすじ]
小さなセミから巨大な竜へと転生した主人公は、空腹のため狩りを行っていた。
咆哮を浴びせて気絶させた獲物を運び集める。竜にはたやすいことだった。
しかし、いざ食べようとしたものの、ある獲物は食すに向いていないからと、別の獲物は哀れに思ったためにと、どうにも食べる気になれずに次々と放ってしまう。
結局すべての獲物を逃がしてしまった主人公だったが、彼を餓死から救ったものがあった。
それは前世がセミであった主人公にとっての最高の糧となる世界樹の樹液であり、樹液を与えてくれた存在、意志を持つ大樹ユグドラシルだった。
[感想等]
樹液が大好物でミーンミンミンミンと鳴く、セミの魂を持つ竜が主人公の小説です。
セミと竜という異色の取り合わせが面白い。
全体的にコメディー調で進む物語なんですが、最後には感動的な結末を迎えるところも良かったです。
掲載サイト: 小説家になろう | Arcadia
作品ページ: 蝉だって転生すれば竜になる | Arcadia版
[あらすじ]
小さなセミから巨大な竜へと転生した主人公は、空腹のため狩りを行っていた。
咆哮を浴びせて気絶させた獲物を運び集める。竜にはたやすいことだった。
しかし、いざ食べようとしたものの、ある獲物は食すに向いていないからと、別の獲物は哀れに思ったためにと、どうにも食べる気になれずに次々と放ってしまう。
結局すべての獲物を逃がしてしまった主人公だったが、彼を餓死から救ったものがあった。
それは前世がセミであった主人公にとっての最高の糧となる世界樹の樹液であり、樹液を与えてくれた存在、意志を持つ大樹ユグドラシルだった。
[感想等]
樹液が大好物でミーンミンミンミンと鳴く、セミの魂を持つ竜が主人公の小説です。
セミと竜という異色の取り合わせが面白い。
全体的にコメディー調で進む物語なんですが、最後には感動的な結末を迎えるところも良かったです。
2015年8月7日金曜日
俺と糞ゲー
作者 : ピウス 様
掲載サイト: 小説家になろう
作品ページ: 俺と糞ゲー
[あらすじ]
懐かしのレトロゲーム『ナプール』を模した異世界へと転移した主人公。
ゲームのクリア条件を達成しないと元の世界には戻れないらしい。
クリア条件とは大迷宮の最終階層ボスの打倒だった。
まずは公園に埋まっている財宝を探してみよう。ゲーム知識を持つ主人公は転移先の街でそう考える。
レトロゲーム『ナプール』に存在した、デバッグ用らしき大金入手イベントを起こすのだ。
そしてあっさりと財宝を見つけ大金を手に入れた主人公は、お金の力で仲間を増やし装備や道具を買い揃え、ゲームを模したこの異世界を攻略していく。
[感想等]
最後までテンポよく読める完結作品です。とにかく読みやすい。
続編もあります。
掲載サイト: 小説家になろう
作品ページ: 俺と糞ゲー
[あらすじ]
懐かしのレトロゲーム『ナプール』を模した異世界へと転移した主人公。
ゲームのクリア条件を達成しないと元の世界には戻れないらしい。
クリア条件とは大迷宮の最終階層ボスの打倒だった。
まずは公園に埋まっている財宝を探してみよう。ゲーム知識を持つ主人公は転移先の街でそう考える。
レトロゲーム『ナプール』に存在した、デバッグ用らしき大金入手イベントを起こすのだ。
そしてあっさりと財宝を見つけ大金を手に入れた主人公は、お金の力で仲間を増やし装備や道具を買い揃え、ゲームを模したこの異世界を攻略していく。
[感想等]
最後までテンポよく読める完結作品です。とにかく読みやすい。
続編もあります。
2015年8月2日日曜日
ティレアの悩み事
作者 : 里奈使徒 様
掲載サイト: 小説家になろう
作品ページ: ティレアの悩み事
[あらすじ]
現代日本で男性だった記憶を持つ少女ティレアは、ある悩みを抱えていた。
妹のティムが最近妙によそよそしいのだ。
その様子のおかしなティムはついに怪しげなことを言い出した。自分は魔王配下の六魔将カミーラだというのだ。
中二病だ。自身も中二病だった苦い過去を持つティレアはそう確信する。
なんとかしなければ。
しかしティレアは勘違いをしていた。ティムは中二病ではなく、本当に封印から覚醒した魔族だったのだ。
ティムの中二病をなんとかするためにティレアは説教を試みる。返答は魔力を用いた攻撃だった。
しかたなくお仕置きを決意するティレア。
お仕置きのお尻ぺんぺんには、六魔将たるティムの魔法障壁を軽々と貫通するほどの魔力が無自覚に込められていた。
そしてお仕置きに屈したティムに姉心からティレアは告げる。自分も転生前に自身を邪神と思い込むという中二病を患っていたことを。
しかしティレアが自覚なく示した実力が、それをティムに事実だと勘違いさせ、邪神として崇められることになってしまう。それもティムの配下の魔族たちとともに。
[感想等]
なぜか強大な力を持っているちょっとおバカな主人公が、様々な相手や物事に対して勘違いをしていくというコメディー小説です。
中でも妹を含めた周囲の魔族たちとは互いに勘違いをしあう関係で、魔族たちの行動を中二病として解釈する主人公と、主人公の行動を人外基準で解釈する魔族たちが妙な具合に噛み合っていく様子が面白いです。
掲載サイト: 小説家になろう
作品ページ: ティレアの悩み事
[あらすじ]
現代日本で男性だった記憶を持つ少女ティレアは、ある悩みを抱えていた。
妹のティムが最近妙によそよそしいのだ。
その様子のおかしなティムはついに怪しげなことを言い出した。自分は魔王配下の六魔将カミーラだというのだ。
中二病だ。自身も中二病だった苦い過去を持つティレアはそう確信する。
なんとかしなければ。
しかしティレアは勘違いをしていた。ティムは中二病ではなく、本当に封印から覚醒した魔族だったのだ。
ティムの中二病をなんとかするためにティレアは説教を試みる。返答は魔力を用いた攻撃だった。
しかたなくお仕置きを決意するティレア。
お仕置きのお尻ぺんぺんには、六魔将たるティムの魔法障壁を軽々と貫通するほどの魔力が無自覚に込められていた。
そしてお仕置きに屈したティムに姉心からティレアは告げる。自分も転生前に自身を邪神と思い込むという中二病を患っていたことを。
しかしティレアが自覚なく示した実力が、それをティムに事実だと勘違いさせ、邪神として崇められることになってしまう。それもティムの配下の魔族たちとともに。
[感想等]
なぜか強大な力を持っているちょっとおバカな主人公が、様々な相手や物事に対して勘違いをしていくというコメディー小説です。
中でも妹を含めた周囲の魔族たちとは互いに勘違いをしあう関係で、魔族たちの行動を中二病として解釈する主人公と、主人公の行動を人外基準で解釈する魔族たちが妙な具合に噛み合っていく様子が面白いです。
2015年7月21日火曜日
異世界で能力者は踊れない
作者 : 火田シャープ 様
掲載サイト: 小説家になろう
作品ページ: 異世界で能力者は踊れない
[あらすじ]
能力者と無能力者、それは『気』を扱える者と扱えない者であり、遠見テツは後者に分類される。
『気』という力は日常にありふれており、スポーツや武術は『気』を扱えるという絶大な利点を持つ能力者の世界であった。
そんな世界、剣術道場でテツは鍛錬を行っていた。
無能力者がいくら鍛錬しても、能力者に剣で勝つことはできない。それは剣の世界の常識でありテツ自身が実証し続けてきた事実であった。
しかしそれでも、勝てずに続ける変わり者として扱われながらも、テツは剣術の鍛錬に打ち込んでいた。
居合の練習を行う日に、道場生たちは刀剣類の納められた蔵の前に集まっていた。練習で使う刀が貸し出されるためだ。
その古びた蔵に突然、空間をねじったような渦が発生し、テツを含めた道場生たちは巻き込まれてしまう。そして気づけば『気』の恩恵の与えられない異世界へと転移してしまっていた。
『気』という力を失い弱体化してしまう道場生たち。
しかし無能力者のテツだけは違っていた。もとより『気』を扱えなかったために何も変わらなかったのだ。
世界間移動の影響を受けなかったテツは、能力者のいない異世界で剣士として頭角を現していく。
[感想等]
すでに完結している作品なんですが、設定的にはもっと続けられそうなのでまだ続きを読みたいような、でも劇的な場面で終わって良かったような、そんな余韻を残す終わり方が印象的でした。
掲載サイト: 小説家になろう
作品ページ: 異世界で能力者は踊れない
[あらすじ]
能力者と無能力者、それは『気』を扱える者と扱えない者であり、遠見テツは後者に分類される。
『気』という力は日常にありふれており、スポーツや武術は『気』を扱えるという絶大な利点を持つ能力者の世界であった。
そんな世界、剣術道場でテツは鍛錬を行っていた。
無能力者がいくら鍛錬しても、能力者に剣で勝つことはできない。それは剣の世界の常識でありテツ自身が実証し続けてきた事実であった。
しかしそれでも、勝てずに続ける変わり者として扱われながらも、テツは剣術の鍛錬に打ち込んでいた。
居合の練習を行う日に、道場生たちは刀剣類の納められた蔵の前に集まっていた。練習で使う刀が貸し出されるためだ。
その古びた蔵に突然、空間をねじったような渦が発生し、テツを含めた道場生たちは巻き込まれてしまう。そして気づけば『気』の恩恵の与えられない異世界へと転移してしまっていた。
『気』という力を失い弱体化してしまう道場生たち。
しかし無能力者のテツだけは違っていた。もとより『気』を扱えなかったために何も変わらなかったのだ。
世界間移動の影響を受けなかったテツは、能力者のいない異世界で剣士として頭角を現していく。
[感想等]
すでに完結している作品なんですが、設定的にはもっと続けられそうなのでまだ続きを読みたいような、でも劇的な場面で終わって良かったような、そんな余韻を残す終わり方が印象的でした。
2015年7月15日水曜日
そして科学者は笑う
作者 : ミケ 様
掲載サイト: Arcadia
作品ページ: そして科学者は笑う
[あらすじ]
時はおよそ7600年後の未来、場所は宇宙。危険な物質を積載した宇宙船が事故を起こし、乗っていた科学者は命を落とした。
しかしその意識は時間の流れを遡り、現代日本で生まれ変わる。
そして再び科学者として、歴史にその名を刻み付けるほどの活躍をすることになる。
神楽真老は年若いながらも天才的な科学者として、画期的な技術や発明品を考案・開発し続けていた。はるか未来の科学者として生きた知識と経験に基づく成果である。
それらの成果から得た報酬を元に、真老はとある目的を持って起業する。目的とは、無人惑星を自身の研究所に仕立て上げることであった。
そしてその練習を兼ねた資金調達のために、まずは手頃な惑星を一つ開拓して経営する計画を立てたのだった。開拓される名もなき惑星は、エデンと名付けられた。
[感想等]
数千年後の未来知識を持つ科学者が現代に転生して、地球外の惑星の開拓に乗り出していくという小説です。
この小説は、序盤は主人公である天才科学者を中心に、有用な技術や研究・惑星開拓に必要な組織を創っていくという流れで物語が進んでいくんですが、実際に惑星エデンに入植者を送り込んで開拓していく段階に入ると、第二の主人公にも思える元一般人のある先発入植者に焦点が切り替わります。こちらの部分も面白いです。
掲載サイト: Arcadia
作品ページ: そして科学者は笑う
[あらすじ]
時はおよそ7600年後の未来、場所は宇宙。危険な物質を積載した宇宙船が事故を起こし、乗っていた科学者は命を落とした。
しかしその意識は時間の流れを遡り、現代日本で生まれ変わる。
そして再び科学者として、歴史にその名を刻み付けるほどの活躍をすることになる。
神楽真老は年若いながらも天才的な科学者として、画期的な技術や発明品を考案・開発し続けていた。はるか未来の科学者として生きた知識と経験に基づく成果である。
それらの成果から得た報酬を元に、真老はとある目的を持って起業する。目的とは、無人惑星を自身の研究所に仕立て上げることであった。
そしてその練習を兼ねた資金調達のために、まずは手頃な惑星を一つ開拓して経営する計画を立てたのだった。開拓される名もなき惑星は、エデンと名付けられた。
[感想等]
数千年後の未来知識を持つ科学者が現代に転生して、地球外の惑星の開拓に乗り出していくという小説です。
この小説は、序盤は主人公である天才科学者を中心に、有用な技術や研究・惑星開拓に必要な組織を創っていくという流れで物語が進んでいくんですが、実際に惑星エデンに入植者を送り込んで開拓していく段階に入ると、第二の主人公にも思える元一般人のある先発入植者に焦点が切り替わります。こちらの部分も面白いです。
2015年3月12日木曜日
八重鏡
作者 : 藤崎悠貴 様
掲載サイト: 小説家になろう
作品ページ: 八重鏡
[あらすじ]
アイスを買いに行った帰り道、雲井正行は気付くと雲の上にいた。落ちた先は異世界の小国、グレアム王国であった。
この大陸北部にある小さな国は滅びを迎えようとしていた。隣国との勝ち目の薄い戦争が迫っていたのである。
そんな切迫した状況の中、正行は行き詰った現状を打開する策を考え出す。
そしてそれをきっかけに、グレアム王国や大陸全体を巻き込む戦の数々に関わることになるのだった。
[感想等]
基本的には、突然異世界へと転移した主人公が軍師という立場で戦争に携わっていく、という物語なんですが、合間で人魚などの幻想的な存在と交流したり、奇妙な生き物と遭遇したりといったファンタジー要素もあるので、そういった小説が好きな方でも楽しめるんじゃないでしょうか。
掲載サイト: 小説家になろう
作品ページ: 八重鏡
[あらすじ]
アイスを買いに行った帰り道、雲井正行は気付くと雲の上にいた。落ちた先は異世界の小国、グレアム王国であった。
この大陸北部にある小さな国は滅びを迎えようとしていた。隣国との勝ち目の薄い戦争が迫っていたのである。
そんな切迫した状況の中、正行は行き詰った現状を打開する策を考え出す。
そしてそれをきっかけに、グレアム王国や大陸全体を巻き込む戦の数々に関わることになるのだった。
[感想等]
基本的には、突然異世界へと転移した主人公が軍師という立場で戦争に携わっていく、という物語なんですが、合間で人魚などの幻想的な存在と交流したり、奇妙な生き物と遭遇したりといったファンタジー要素もあるので、そういった小説が好きな方でも楽しめるんじゃないでしょうか。
2015年2月4日水曜日
努力しすぎて最強になった青年の物語
作者 : 早瀬六七 様
掲載サイト: 小説家になろう
作品ページ: 努力しすぎて最強になった青年の物語
[あらすじ]
鍛冶屋の次男に生まれたエフトは、幼い頃にパレードで見た憧れの王国騎士になるために、修行と称して木の棒で素振りを始める。
毎日欠かさずに行っていた素振りは、いつしか単なる鍛錬の域を超えて、本当に修行としか言いようのない、常人の限界を突破したものへと変わっていた。
自覚のないまま非常識な存在となったエフトは、果たして王国騎士になれるのだろうか。
[感想等]
勘違い要素のあるコメディー小説です。
真面目かつ天然で、ちょっとアホの子な主人公が無自覚に周りの人間を振り回していきます。
主人公の一生懸命さと周りの人たちの反応のギャップが楽しいです。
掲載サイト: 小説家になろう
作品ページ: 努力しすぎて最強になった青年の物語
[あらすじ]
鍛冶屋の次男に生まれたエフトは、幼い頃にパレードで見た憧れの王国騎士になるために、修行と称して木の棒で素振りを始める。
毎日欠かさずに行っていた素振りは、いつしか単なる鍛錬の域を超えて、本当に修行としか言いようのない、常人の限界を突破したものへと変わっていた。
自覚のないまま非常識な存在となったエフトは、果たして王国騎士になれるのだろうか。
[感想等]
勘違い要素のあるコメディー小説です。
真面目かつ天然で、ちょっとアホの子な主人公が無自覚に周りの人間を振り回していきます。
主人公の一生懸命さと周りの人たちの反応のギャップが楽しいです。
2015年1月24日土曜日
DARK QUEEN
作者 : D・W・W 様
掲載サイト: D・W・Wの館
作品ページ: DARK QUEEN
[あらすじ]
山奥の研究施設の中で、寒村生まれの少女クラナの体は内側から造り替えられていた。実験により寄生させられた古代生物の働きによるものである。
そのクラナには危機が迫っていた。彼女と同じく生体兵器を造るための実験材料にされていた被験者が異形化し暴走したため、クラナを含めた被験者全員が殺戮され処分されることになったのだ。
被験者たちは次々に殺害され、クラナも致命傷を受ける。
しかしクラナと体を共有している寄生生物は諦めてはいなかった。宿主と融合することでクラナを蘇生しようとしたのだ。
その試みは成功する。寄生生物の自我を犠牲にして。
研究施設の人間は全てクラナに殺された。
施設の人間を皆殺しにした理由は追っ手がかかるのを防ぐためであり、寄生生物により造り替えられた肉体とともに、一度人間に殺され変化したクラナの精神はそれを可能としていたのだ。
研究施設を後にしたクラナは能動的な行動を始め、決断する。人外と化した自身の生存のために、迫害されない場所、最も安全な居場所、すなわち玉座を手に入れることを。
それは人類を支配することを意味していた。
[感想等]
戦乱の世で主人公が武勲をあげて成り上がっていく小説です。
主人公のクラナの性格が特徴的で、部下を含めた人間を道具としか思っていません。
しかし道具である人間の扱い方は上手いのです。
ある者は恩を売って味方に引き込み、またある者は恐怖によって支配する。飴と鞭です。
成り上がっていくにつれ、領地の税率を下げたり汚職官吏を一掃したりと、飴と鞭の規模も大きくなっていきます。
人間を道具としか見ていない主人公が、そうやって民衆の望む社会を作り上げていくという構図が面白いです。
山奥の研究施設の中で、寒村生まれの少女クラナの体は内側から造り替えられていた。実験により寄生させられた古代生物の働きによるものである。
そのクラナには危機が迫っていた。彼女と同じく生体兵器を造るための実験材料にされていた被験者が異形化し暴走したため、クラナを含めた被験者全員が殺戮され処分されることになったのだ。
被験者たちは次々に殺害され、クラナも致命傷を受ける。
しかしクラナと体を共有している寄生生物は諦めてはいなかった。宿主と融合することでクラナを蘇生しようとしたのだ。
その試みは成功する。寄生生物の自我を犠牲にして。
研究施設の人間は全てクラナに殺された。
施設の人間を皆殺しにした理由は追っ手がかかるのを防ぐためであり、寄生生物により造り替えられた肉体とともに、一度人間に殺され変化したクラナの精神はそれを可能としていたのだ。
研究施設を後にしたクラナは能動的な行動を始め、決断する。人外と化した自身の生存のために、迫害されない場所、最も安全な居場所、すなわち玉座を手に入れることを。
それは人類を支配することを意味していた。
[感想等]
戦乱の世で主人公が武勲をあげて成り上がっていく小説です。
主人公のクラナの性格が特徴的で、部下を含めた人間を道具としか思っていません。
しかし道具である人間の扱い方は上手いのです。
ある者は恩を売って味方に引き込み、またある者は恐怖によって支配する。飴と鞭です。
成り上がっていくにつれ、領地の税率を下げたり汚職官吏を一掃したりと、飴と鞭の規模も大きくなっていきます。
人間を道具としか見ていない主人公が、そうやって民衆の望む社会を作り上げていくという構図が面白いです。
登録:
投稿 (Atom)